02


仁王雅治side

世界が嫌いだった。

周りの奴らも嫌いだった。

己を取り巻く全てが嫌いだった。

例外は家族ぐらい。
しかし姉は学校の寮暮らしだし父さんは時間の都合であまり会わない。
実際、母さんぐらいしか家にはいない。

そんな世界で生きていた俺。
そんな中、突如、アイツが現れた。
母さんに心配かけまいと時間を公園で潰していた。
そんな俺に近づいてきて真っ直ぐに俺を見て俺の髪を綺麗だと言った。
月みたいだとか雪原みたいだとか言って。

始めての経験。

嘘をついてない事は解る。
自慢じゃないがそういう事を見分けるのは昔から長けていたから。
だから単純に嬉しかった。
喜べた。
母さんと同じ自慢の髪だから。
そして同時に変な奴だとも思った。
周りと違う事を言う奴だから。

聞けば迷子だそうで。
こいつならいいと、信用できると家ににつれて行った。
翌日、家に住む事にはなったのは驚いたけど。

今、あいつはきっと新しいクラスにいるだろう。
きっと上手くなじんでいるはず。
授業中だけど青い蒼い空が見える屋上でシャボン玉を作りながら思う。
クラスにいるのは好かん。
先生も問題児として俺の事はもう諦めとる。
別にどうでもいい。

授業が終わるチャイムが鳴る。
昼休みだ。給食を食べいくかどうかはその日の気分。
今日は行かない。

ぼーと屋上で過ごしていたら数十分後、アイツが屋上に現れた。

「お前さん、何しに来たん」
「ハルに会いに来た」
「は?」

俺に?
なんでここにいると思った?
思わず笑ってしまった。
本当、変な奴。
でも嬉しい一言だった。



戻る
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -