02
「それでハルが取った対策は何だと思う?」
「女に復讐、とかはどうじゃ」
「恐いよ、お兄ちゃん。
そうだなぁ……私なら、身の潔白を証明するのに全力を注ぐ」
ハルが取った行動。
それは。
「私から片時も離れなかった、んだよね。ハル。
学年が違うくせに休み時間全部私の所に来たの」
「なる程。それなら、両方の目的が果たせるの」
私のそばにずっといるから何もしていないと言う証明になる。
私の事をどれぐらい好きなのを周りに自ら見せつけた。
休み時間中、あの手この手で甘い言葉はかれ続けたし。
「でも、なんで嫉妬しなかったん?」
「知ってたからね」
「何を?」
「何があろうとも私の所に戻ってくるって。
信頼、かな。
長い付き合いだから。
だからいくら浮気しようがなんだろうが、気にしないかな」
「……ようわからん」
「雅人もその内にわかるよ。
勿論、遥もね」
もっとも、そのせいで弦兄が事の原因を知って怒り心頭だったけれど。
弦兄って少しばかり私に過保護だし。
昔、目の前で誘拐されたトラウマがあるから仕方ないとしか言いようがない。
それでハルは弦兄に説教を貰ってたけどこれは父の威厳の為に秘密。
「好きな人ねー」
「雅人も遥もモテるでしょ?」
「まぁ、それなりにの」
「普通じゃない?」
「嘘言え。ミスコン優勝者」
「好きで出たんじゃなくて、アレ強制だったから!
というか、お兄ちゃんだって仕組んでたくせに」
「ピヨ」
「お兄ちゃん!」
「はいはい、喧嘩しない」
「それで、どうなったん?」
効果は絶大であったと、だけ言っておこう。
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