03
と。
「金ちゃん!」
おぉ、メシア登場。
バイブルもとい白石さん。
「あ、白石やんか!」
「あ、じゃないわボケ!
あれだけ迷子になるんじゃないって言ったやろ!
それに、ん?その子は?」
「舞って言うんや。白石探すの手伝ってくれたんやで」
白石さんと視線があう。
「ごめんな、金ちゃんを相手にするのは疲れたやろう?」
眉を下げて申し訳なさそうな白石さん。
予想どうりいい人だな。
苦労してそうだけど。
「いえ。それより見つかって良かったです」
「たこ焼きも奢ってくれたんやろ?お金、払うわ」
「このぐらい、大丈夫ですよ」
「でも」
「いいですから」
「じゃあ、お言葉に甘えて。
でも、本当にありがとな。
ほら、金ちゃんも礼いい」
「ありがとな、姉ちゃん」
「どういたしまして」
「な、また会えへん?」
「……暇があったらね」
「ほんま!?絶対やで!
約束破ったら針千本飲ませるからな!」
「はいはい」
そんなこんなで白石さんと友好を深め。
遠山君のお願いによって何回か会うようになってからハルが大阪に来た。
「ちょっと、でかけて来るね」
「買い物なら付き合うぜよ」
「買い物っていうか知り合いになった近所の子供とその保護者とね、会う約束をしてるの。
ハルも来る?」
「……行く」
普段、重い腰を何を思ったのか立ち上がったハルをみて首をかしげた。
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