04
後日談。
ハルが全国を終えてから告白したのはけじめらしい。
弦兄は激怒してた。
それでもハルに言いくるめられてたのと私達が本気だと解ったからか、渋々認めてくれた。
そのせいでテニス部のみんなにも知られたけれど全員、おめでとうと言ってくれた。
長かった夏が終わって新しく赤也が部長になった。
引退したみんなもよく顔を出す。
全国三連覇したからか、井上さんがハル達に取材に来ていていた。
驚きな事に私にも。
「三連覇、おめでとうございます」
「ありがとうございます。
マネの私にも取材が来るとは思いませんでした」
「レギュラー陣の皆さんが優勝したのは努力もあったけれど
マネージャーの力もあったと全員が言っていたんですよ」
「そんな事ありませんよ」
「三年の皆さんが引退して新しく切原君が部長になって。
レギュラーも変わったのですが、どうですか?」
「何しろ今までが黄金期でしたので多少の見劣りはありますが
彼らにも負けない位に能力は秘めてると思います。
勿論、四連覇も狙いますよ」
「それは頼もしい」
それからあれこれと聞かれた。
内部情報をどんどん聞き出そうとして油断はならないけれどこれが彼の腕の見せ所だからな。
「では、最後に。
三連覇を陰ながら支えていたマネージャーである真田さんにとって。
皆さんのはどういう存在ですか?」
「私にとって、皆は……」
死んで、生まれ変わって。
本当の家族を手に入れて。
それからハルに出会って、
皆と出会った。
奇跡のような出来事がたくさん重なったから。
私は皆に出会えた。
「とても、大切な人達なんです。
大好きですよ。
拙い言葉のようですが、それしか言えません」
そのおかげで私は本当に救われたのだ。
感謝しきれないぐらいに。
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