03


両思い、ならば断る必要はない。
それになんとなく思う。
恋人という関係が弱点になる程にハルは弱くない気がする。
全国のあの場をみていて、そう思った。
あの小さい頃のハルとはやっぱり違うんだ。

「私も好きだよ。
 なんでとかそんなの解んない。
 いつからなんて解らないよ。
 だって、好きだから。
 だからそんな事を言うのはずるい」

ハルはいきなり立ち上がって私の事を引き寄せた。
と、同時に唇に温もりが。
顔が暑い。
うそ、私って、こんな事で赤くなったけ。

「舞もずるいぜよ。
 不意打ちなり」
「うるさい」
「……愛しとうよ。
 付き合ってくれんか?」
「了解」
「よし、後ろ向いてみ?」
「ん?」

言われるままに後ろをむくとちょうど朝日がのぼり始めて。
住宅街を照らしはじめていた。

「告白するなら、太陽がでる瞬間を狙うって決めてたからな」
「かっこつけ」
「好きな奴にかっこいい姿を見せたいのは当然なり」

後ろから抱きしめるハル。
今までは戯れだったけれどその意味が変わった。

「ね、弦兄にはなんて言うの?」
「あー、真田か……。
 あいつが義兄とか嫌じゃな」
「気が早いって」
「いーや、別れるなんてあり得ん」
「そうだね」
「大丈夫なり」
「だっから来るのその自信」
「真田は単純馬鹿じゃから」
「ひどい言い方」

くすくすと笑い合う。

「なぁ、絶対に幸せにしちゃるよ、舞」

幸せになって欲しい、なんて言葉は私の中では禁句なのに不思議と嫌な感じはしなかった。
それは、ハルだからだろうか?

「楽しみにしてる」
「じゃあ、帰るか」
「うん」

手をつないで、私達は帰路についた。



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