02
「俺の太陽はお前じゃよ、舞。
今の俺の周りにはたくさん力になってくれる事はあるが。
それでも、俺の一番の力はやっぱりお前じゃ」
「私は、太陽みたいに輝いてないし強くもない」
「言ったじゃろ?
『俺にとっての』じゃ。
俺にとって舞、お前は特別じゃ。
月には太陽が必要なように
俺には舞が必要なり。
なぁ、舞。
これから先も俺の側にいてくれ」
「それって」
「好きじゃ、舞。
どうしようもないくらいに」
「……、なんとなく気づいてたよ」
「だろうな」
例えば。
氷帝の跡部さんの時。
私が恋愛感情を聞かれても解らないと告げた時。
私が告白された時。
ハルの反応がそういう感情を伴っていたら。
そう考えたらおかしくはないのだ。
でも、私は気づかない振りをしてた。
私は身内が大切だから。
私の存在が重荷になるのが怖くて。
「恋人」なんて関係はいつか重みになってしまいそうで。
だから私は自分の感情にも気づかないふりをしていた。
精市先輩はどちらも気づいていたのだろう。
だから私に文化祭の時にああ言ったのだ。
「ただ、知っておいて欲しかっただけなり。
付き合って欲しいとは言わんよ。
舞は優しいから、断れないじゃろ?」
「……そんなのずるいよ」
「え?」
ずるい。
勝手に告白しておいて、そんな事を言うなんて。
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