04


「あら、可愛い!ロック・オン!」
「浮気か!死なすど!」

おお、ホモコンビ。
て言うか金色さんっってどっちとして扱えばいいのだろうか?
男と女。
オカマは女って主張する事が多いからな。
選択に困る。

「お前が皇帝の妹か。侑士からも聞いた事があるで。
 よろしゅうな」

愛するべき?ヘタレの忍足(謙)

「ああ、従兄さんから話は聞いてますよ。
 ヘタレ謙也さん」
「はぁ!?侑士、何をこの子に言ってんねん!あとで絶対しめたる!!
 あと俺はヘタレやない!」
「ヘタレっスよ、先輩」
「財前!」

大阪人のテンションって勝手に上がってくな。
テンポもいいし。

「すまんなぁ、五月蝿いやろ?」
「いえ、賑やかでいいと思いますよ。
 それで白石さん、明日、雪辱戦といきませんか?」
「雪辱?いったい何のこっちゃ」
「明日、立海と練習試合をしませんかと言っているんです。
 去年それで準優勝だったんですよね?
 このまま大阪に帰るのも悲しくありませんか?
 こっちも決勝に向けての最終調整中なんです。
 お互いに良い利益になると思いますが」

ピシリ、と空気が凍ったのが解る。
凍らないのは去年関与しなかった財前君と遠山君ぐらい。
やっぱりか。
ふざけていてもテニスへの執着心は強い。

「そりゃあ、魅力的な話やけどな。
 それを決めるのは俺じゃなくてウチら顧問の」
「ええやないの、やれば。
 どうせ暇なんやしやらん言ってもどーせやるやろ?」
「決まりですね。明日の十時に立海に来て下さい」
「おん。ありがとな」

私達の最終調整に付き合ってもらう。
その相手が彼らなのはちょうどいい。



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