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しかたなしに指定された時間に定番のお呼出スポットに行くとお呼出しした本人が先に待っていた。

二年D組の内藤君。

サッカー部の次期エースでテニス部程とは言えないけれどかっこいい。
分類で言えば爽やか系だ。
同じクラスじゃない。
去年も同じじゃなかったのにどこで私を知った。
あー、でもマネやらせられれば自然に知れ渡るか。

「手紙読んでくれて解ってくれているとと思うけれど
 俺、真田さんの事が好きなんだ」
「えーと初対面に言われても困る。
 彼氏別に欲しいと思わないし。
 ていうか話した事ないのに何処を好きになってくれたか解んない。
 てことでゴメンなさい」

すると慌てた様子を見せる。
マネをしている姿とか時々笑う笑顔だとかが好きで初対面だけどこれから知って欲しいとか。
つらつらと言い始める。
そしてだから、騙されたと思って!とか言ってきた。
諦め悪いな。
詐欺師の幼馴染みに騙されたっていうのもないだろ。

「部活がこれから大切な次期になるし付き合うとか考えてないから。
 それに仮に私と付き合う事になったらもれなく私の兄、真田弦一郎がついてくるんだよ?」

いや、結婚とかそう言う意味じゃないけれど。
彼氏ができたら報告しなきゃいけないだろう。
家風的に。
弦兄が許すか……。
そしてその弦兄に太刀打ちできるか。
否、無理だな。

「だ、大丈夫だから!」

あ、絶対に無理だな。
想像しただけでどもるなんて。

「俺を信じて」

初対面に信じてと言われても。
するとぐっと引っ張られる。
あれ、いつかのデジャブ?
そう。
氷帝の跡部さんの。
あの時はハルが……。

くっついた唇に気持ち悪いと思ってしまったのは何故だろう。



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