02


「赤也が?」
「ああ。まったくたるんどる」

赤也がバスを寝過ごしたらしい。
だから朝練にいなかったのか。

「舞、迎えに言ってやれ。
 また乗り過ごされては困る。
 どうせ赤也は帰り方が解らないだろうからな」

そんな蓮二先輩の指示にしたがって私は青春学園に来ていた。
門の前にいろと指示を出したのにいない。
テニスコートにでも言ったのだろうか。

ふと、遠くから人が来るのき気づいた。
小さい体躯。
生意気そうな三白眼
背にはテニスバック。

「越前リョーマ……」

呟いた声は思ったより響いて彼は私の数歩前で立ち止まる。

「アンタ誰?なんで俺の名前知ってるの」
「君が知る必要はないよ。
 それより君。遅刻なんじゃないの?」
「ちょっと答えなよ」

校門のその先に赤也の姿が見える。

「舞!」
「ここで待ってろって言ってなかった?」
「わり。ちょっと遊んでた」
「全く……。じゃあね、越前君。
 関東大会で。君の部長にも宜しく言っておいてね。
 真田が全力の試合を望んでるって」

クスリ、と笑って越前君に背を向ける。
ちょっと悪役ぽいな。
まあ敵なわけだし?
私は正義より悪役の方が楽しいと思うけれど。

「君達はまだまだ弱い」

今はまだ私達より弱い。
そこら辺の学校に苦戦ようでは、ね。
きっと関東に上がるまでには成長しているだろうけれど。

というか、これ原作にあったシーンだよね。



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