04


翌日からの練習はいつもよりも格段にハードになった。
それには誰も文句は言わない。
弦兄が指示し蓮二先輩がフォローする。
私もできる限りの事をするだけ。

考えた事が、ある。
私は未来を少しばかり知っている。
その未来が変わった。
ならば関東、全国で負けると言う事も変わるかもしれない。
あり得る事だ。
私がいる時点でパラレルワールドなのだ。
だからそこは悲観せずにいこうと思う。

「赤也」
「ういっス」

弦兄が赤也を呼ぶ。
蓮二先輩、私もそこにいる。
たった今決めた事。

「レギュラーは七人だ。
 幸村が欠けた今は六人。
 お前はまだまだ未熟だが、一番レギュラーに近い実力を持っている」
「副部長、もしかして」
「お前をレギュラーに昇格させる。だがこれで気を緩めるな!
 気を引き締めて練習に励め!」
「これから先、気を緩めたらレギュラーを降ろすと弦一郎と決めてあるからな」
「そう言う事だ。いいか、赤也!」
「ハイ!!」

私がレギュラージャージを渡す。
赤也は引き締めた表情でゆくっりとジャージを受け取った。

「俺、着替えてきます!」

途中ハル達にからかわれ、祝いの言葉を言われながら赤也が部室に走って行った。

「弦兄、蓮二先輩。赤也は大丈夫ですよ。
 なんせ立海の次期エースですから」
「うむ」
「次期部長もアイツになるのだろうな。
 アイツは今、急成長中だ。
 将来が楽しみだ」


ちゃくちゃくと原作への舞台が整っていく。

「王者立海、か」

青学の人達にはあった事がないけれど。
一番の敵になる面々を思い浮かべる。
決められたシナリオなんて知るか。
私は、私のすべき事をやってのける。



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