05
で、放課後。
「何か良い事がありましたか?」
「あ、ヒロ先輩」
眼鏡を直しながる現れる先輩。
ついでなので今日の試合の対戦相手を教える。
二年の平部員だけど。
レギュラーが大切と言っても来年の為の育成もしなきゃいけないし。
「先程から少々機嫌が良さげですね」
「そうですか?」
「ええ」
「ちょっと色々あったんです」
「そうですか」
渡瀬先輩から了解を得たのだ。
これで一週間の内に転校となる。
行き先は氷帝。
綾菜のツテでね。
むこうではマネになるのかな?
私の知った事ではないけれど。
「舞、ちょっといいか」
蓮二先輩がノートを持って現れた。
おそらく練習メニューの変更についてだ。
「仁王を知らないか?」
「知りませんが」
「ふむ、部活が始まるのに何処に」
「呼んだかの、参謀」
おお、ハル。
「呼んだな。今までどこにいた?」
「プリ」
「部室の裏だそうですよ」
「仁王君は六時限の時からいませんでしたよね」
「自主休憩なり」
「またか、仁王」
「そう怒りなさんな、のぉ舞」
「いつもの事だから今更ですよ」
「ピヨ」
「それにしても寒くなってたね」
「そうじゃな」
冬が来る。
今年の冬はきっと一生忘れない事になるだろう。
願わくは。
運命が歪まない事を祈るのみ。
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