03


翌日。

起床してから着替えた所で目覚ましが鳴る。
何時もの事だ。
目覚めはいい方なのだ。
そう言えば赤也は今日遅刻すると連続で三回になるな。
弦兄の血圧に悪そうだ。
じゃあ、モーニングコールでもしてもしてみるか。
赤也の携帯に直接かけると、十回ぐらいでようやく繋がった。

「……はい、切原です……」

心の声を訳すと朝っぱらか携帯にかけるなんて迷惑だ。
こっちは眠いのに、かな。
いらついているのがよく判る。

「おはよ、ダーリン」
「ぶっ……!!その声は舞か!」
「うん」
「何言ってるんだよ、心臓に悪ぃ!」
「でも目はぱっちり」
「朝から冗談キツい……。んで、何のようだよ」
「モーニングコール」
「は?」
「今日、遅刻したらステレオのお小言じゃすまないよ」
「う!そうっだった……、サンキューな」
「構わないよ。じゃあね」
「おう!おっと、忘れるとこだった」
「ん?」
「おはよ」

返事返してなかったからか。

「ん、じゃあ学校でね」

弦兄は私が朝食を食べてると朝の稽古を終えて風呂に入ってから現れる。
しかも数分も違わず同じ時間に。

「おはよう、弦兄」
「おはよう」

それから一緒に登校。
この歳で一緒に登校なんてする兄妹はいないだろうけど。
途中でだいたい皆に会う。
赤也には遅刻しなくて褒められてガッツポーズしてた。

「あ……」

渡瀬先輩。
微妙な雰囲気が漂う。
挨拶したり、無視したり、言葉にならない音を出す人も。
私は一応挨拶はした。すれ違い際に小さい紙を彼女の鞄の中に滑り込まして。

「舞」
「どうしたの?」
「ゴムは持って来たか」
「うん」
「くくって」
「後でね」

自分でできるくせに、何故私に頼む。



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