04


さて、逃げると言ってもどうすればいいのだろう。
怪しまれない為にか縛られてるとかそう言う事はないけど何もできないのも事実。
とりあえず車から降りなければ事態は変わらない。
つい先程、高速道路から抜けたみたいだ。
身長の問題で看板が見えなくて相変わらず現在地は不明。

「おじさん」
「なんだい舞ちゃん」
「お手洗い行きたい」

これで降りれるし隙を見て脱走できるだろう。
手洗いに行きたいのは本音だし嘘はついてない。
嘘は。
ただ事実を言わないだけで。
男は悩んだ様子で辺りを見回す。
住宅街に入ったからお店に入るとかはできない。
狙ったけど。

「うーん、我慢できないかい?」
「無理!!もれちゃうよぉ!」

女としてどうかと思うけど、ほら。
今は子供だから。
でもこのロリコン野郎、意外と良い奴だな。
マジでトイレ探してくれるし途中でアイス買ってくれたし。
おいしかった。
ロリコンって言うのは小児性愛の略。
それで小児性愛とは、性的に未成熟な子供を性の対象として捕らえてしまう性癖の事をさすらしい。
だからもっとハァハァとしたきしょい奴を想像していたのが……。
認識を改めなければ。

「公園のトイレだけどいいかい?」
「うん。大丈夫だよ」

こういう所のトイレは汚いが仕方が無い。
それに逃げやすいし。

車から降りて一人で入るからと公園の入り口で待ってもらった。
さっさとトイレに入って用を足してこっそり男の様子を伺う。
よし、余所見してる。
音を立てないようトイレの裏側に回り男の死角に入るように気をつけながら公園に出る。
そっからは全速力で走った。
ごめん、おじさん。
私は自分の身がかわいい。
実年齢ピー歳をなめないで欲しい。言ってて悲しいけど。

10分程度走った所で走るのをやめる。

「あー、どうしよう」

空はもう暗くなり始めている。
夏だからまだ太陽が沈むのが遅いからいいが、冬だったらもう相当に暗くなっている時間帯だ。
まず此処何処だよ。
それにこれからどうしろと?
野宿か?
そんなの前世でもしなかったぞ。
交番なんて見つかるわけないし。
意外と交番というのは探してもないものだ。
食事を一食や二食抜かしても平気だけどそんな生活をしてたら餓死してしまう。
ああ、その前に大人に助けを求めるか保護されるかするか。



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