05
家に帰って家族の前で今までを語った後の感想はただ一つ。
納得してないな、と。
矛盾なんて。
穴なんて。
つこうと思えばいくらでもできる話。
それに気付かないほどに皆は愚かじゃない。
でもそれは私の転生に関わる話だから。
誤魔化すにはあまりにも大きな事で。
それでも私はその事を話すつもりなんて全くない。
私は一度死んで生まれ変わりました?
前世で貴方達は漫画の世界の人でした?
だから未来を一部知っています?
戯言にも程がある。
仮に檍歩譲って信じてもらったとして何になる?
彼らは皆、己の人生を生きている。
自分自身の意思で。
だからそれを否定するような真似はしたくない。
私が言えない理由は解らなくても言えない確固たる意志を感じてか。
頷いて、有難うと言ってくれた。
矛盾も嘘も。
全部包みこんで
「真田舞」
を受け入れてくれたのだ。
この異端児を。
この汚れた子を。
知らないとは言ってもだ。
「仁王に礼を言わなくてはな。百合さんと言う人にも」
「うん」
ああ、やっぱり私にはもったいないぐらい最高の家族だ。
こんな所に私を産んでくれて。
私はありったけの感謝をしなければならない。
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