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それに第一、だ。
「そんな中学生ぐらいのまだちゃんと完成されてない体見たって別にね……。
見られたって減るもんじゃないし」
しかもセーター脱いだだけで大げさな。
「減る!確実に奥ゆかしさとかそういうが減るからね!」
「舞そういうのは大丈夫なんだ。
真田だったら絶対に無理なのにね。似てないねー」
「幸村君は何でそのままいるの!?出てって!」
あ、確かに他の部員達はいつの間にかいなくなってる。
柳先輩は慌てるタイプじゃないし
弦兄は実の妹だし全裸じゃないから騒が
「た、たるんどる!女子なんだからもう少し慎みと言うものをだな!」
騒いでました。
外から聞こえきた、声。
裸に、云々じゃなくてモラル?と言うか妹の貞操の為にって感じだけど。
「舞ちゃん、男の子の前で着替えるのはやめようよ」
「渡瀬先輩って突っ込み属性でしたっけ?」
「え?」
「いえ、何でもありません」
渡瀬先輩に背を向けて着替えを再会する。
背をむけたのは面倒事を避けるため。
しばらく自分の事で手一杯だったけど渡瀬先輩はその間の嫌がらせはきっと続いてた。
もし傷とかあったら流石にほっとくわけにもいかない。
本人は隠したがってるし私は皆にそもそもそんな事を伝えたくない。
渡瀬先輩には悪いけど私は皆の事を優先する。
鏡で渡瀬先輩の所々にできた痣を見ながらそう思った。
懐かしい感覚だ。
ここしばらくこんな事、考えなかった。
本来の私が戻って来た証拠。
今までが特殊だったのだ。
「でも、時間の問題かな」
「何か言った?」
「いえ」
まだ、何でもない。
まだ、ね。
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