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人との縁というのは不思議なもので、予想外の思いもよらない所で繋がってしまう事がある。
わからないのは偏に、世界というのはあくまでも自分の手の届く範囲でしか構築されないから。
認識していないというのは、つまるところ本人とっては無。存在していないと同意気。
しかしないと思っていても世界と世界が引き合う力は強く、少なくとも一個人ではどうしようもできない程に強く引き合う。
あいにく俺は運命論者ではない。
何かしらの原因があるはずだと考えている。
全ては必然で。
意味がない事なんて存在しない。
ただ、全てに意味なんて考えていたら一生かかっても終わらない。
そんなものがなくとも、人は生きていけるものだ。
その縁に自分の意志が有ろうが無かろうが。関係ない。
人と関わらず生きていけないという超然たる事実。時に理不尽な事もあるのだけど、それが重要なのだ。
受け流し、好きにいじくり回して自分が楽しめればいい。
今までもそうだし、きっとこれからもそうだ。


と、まぁ、グダグダと人の縁に関しての個人的見解を述べていたわけなのだけれど。
何故そんな事をしていたかと言えばきちんと理由はある。
全てに理由をつけはしないけど、まったく理由をつけないというわけにもなるまい。
白か黒じゃない。
灰色というのが世の中の常である。
おっと、話がズレてしまった。

とにかくだ。
わざわざ人の縁に関して話していたのは、その一つの例としてとある人物の事をあげるためなのだ。
もっとも本題はその人物……俺の一つ年上の先輩、ここではあえて客観的に彼女、とでも言っておこう。
彼女の事が本題で、それまでが伏線。彼女の事を話したいが為にグダグダと話していたのだ。

でも、勘違いしないで欲しい。
本題の彼女の事を語れと言われても、俺には彼女の本質を語ることなんて一生できないであろう。
それほど彼女は天真爛漫で、自由で、それでいて彼女はあまりにも色々な物を背負いすぎているからだ。
だいたいにおけて人間というのはとてもじゃないけれど一面だけで語れる程に単純ではない。
彼女も例外ではないのでそこは大目に見て欲しい。
だから、まぁ、これはあくまで俺から見た彼女を俺なりの言葉で語らせてもらおうと思う。
それで彼女の人となりを理解してくれたら幸いだ。
日記なんてつけない俺の事である。
ただでさえ慣れない語り手と言う役割を完璧には果たせない事をここで断っておこう。


何、そう堅くなる必要はない。


……そう、詐欺師の荒唐無稽な話しを騙されていながらも全く気づかない。
そんな気楽さを持って聞いてくれればいいのだ。


さて、前置きが長くなってしまったようだが。

これらの話しを聞いてもまだ聞きたいと思う物好きのがいるのならば。


それでは始めよう。


俺と奇想天外な先輩との物語を。






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