「おーい、名前!ちょっとこっち来てみろよ」
「なあに?」
「いいから、いいから」
輝の呼ぶ声にスリッパをパタパタと鳴らしてベランダに出る。
「わあ!」
私が見たのは綺麗に桃色に染まったお月様だった。
「ストロベリームーンだってさ」
「輝みたい!」
「何だよ、それ」
ははっと笑いながら私の横に並んで同じように空を見上げる。
輝みたいに綺麗で、赤くて。とても素敵な月だ。この月を見れるのは何年後だろう?
「ふふ、月が綺麗ですね?」
「死んでもいいぜ」
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