短編 | ナノ
それから4日、私は一也に連絡しなかったし、一也からも最初の一日目には着信とLINEが入っていたけれど、二日目には着信のみ、三日目には連絡すらなくなった。
別れくらいは綺麗に、話し合いたい。そう思っている心の片隅でこれ以上傷を広げたくないと思う自分もいて、結局何の連絡も取れずにいた。
ワイドショーも少しずつ落ち着いて来た頃、相手のアナウンサーが記者のお付き合いしているんですよね?との質問に「仲良くさせていただいています。ゆっくりと見守って頂けると助かります」と返事をしたと再び話題が盛り上がり、テレビで話題にならなくなり、気持ちをだんだん落ち着けていた私にトドメを刺すようにまた嫌でも情報が入って来るようになった。
それからそんなに日数をあけず、
一也からLINEが入った。
記者会見をするから、それだけは必ず見てほしい。とのことだった。
見たくない、聞きたくない。
でも、もう目をそらしてばかりではいられなくて、私はわかった。と返事をした。
更に大学では、くらもっちーが「御幸から記者会見苗字がちゃんと見るか一緒に見てやって欲しいって言われたんだけど、俺んちで見るか?」と誘われた。
どうせくらもっちーに一緒に見たか確認が来るんだろうな、と思ったからその誘いを受けることにした。
1人で観たら倒れるかも知れないし、むしろ有難かった。
夕方のワイドショーはどのチャンネルも御幸一也の緊急会見を待ちわびる話ばかりだった。
とにかく緊張して、喉が乾く。
早く始まって欲しいような、そうでないような。
今日で、私達の関係が終わるんだと思ったらやっぱり見たくはなかった。
こんな画面越しで終わるのだ。
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