放課後の美術室で二人、うちの一人はいつも通りヘッドホンを付け音楽を聴いている。#twnovel
一体何しに来てんだか。
彼女の呟きが聞こえる。暫くして絵筆の走る音も。そしてズレた鼻歌も。
そうこれこれ、これが聴きたくて来てンだよ。
ヘッドホンのコードの先は、とっくにスイッチオフ。

— 花* (@hana343664) 2017年6月21日

大型契約を取ってその日は非常に気が大きかった。どうだ女だって男に負けないんだぞー！と飲みに飲んだ。
帰りがけ、後輩わんこが呟いた。
「…帰りたくない」
女子か！このわんこめがああ！よぅしそこまで言うなら私も女だ！#twnovel
まあ一皮剥いたら全然わんこじゃなかったんだけどさ。

— 花* (@hana343664) 2017年6月17日

じいちゃんと車に乗ってたときのことだ。「何だあの色のついた箱は。動いとるぞ」見ると、遠くに下校途中の子どもたち。水色にピンクに青。体より大きいそれ。「ランドセルだよ。今の子はカラフルだね」「お前も青とかが良かったか」「黒が良かったよ」じいちゃんが買ってくれた黒が。#twnovel

— 花* (@hana343664) 2017年6月15日

UFO研究会。胡散臭い会に入ってしまった…
連れてこられたのは近郊の低い山。空を観察するらしい。
「絶対宇宙人はいるから！」
キラキラした目の先輩にどきりとする。
これが何かわかったら。確認してしまったら。
…まだ未確認でいい。この胸でふわふわするものが、何かは。#twnvday

— 花* (@hana343664) 2017年6月14日

「私むかしUFO見たことあるの」
「UFO？」
「そう、丸い円盤型の。宇宙人が乗ってたのかも」
「もしそれを宇宙船と見なすならばその時点でもう“未確認”飛行物体じゃない。UFOは異星人の乗り物を指す言葉ではなく飽く迄正体不明の未確認ひ」
「ごめんやっぱ私見てない」#twnvday

— 花* (@hana343664) 2017年6月14日

私は自分の太い眉毛が大嫌い。高校生になったら絶対絶対細くするんだ…！
「何で」
幼なじみが言う。
「何でって、フツーに嫌じゃん」
「かりんとみたいでいいじゃん。カワイイじゃん。かりんとまゆげ」#twnovel
その呪いの言葉のせいで、私の眉は二十歳を過ぎてもかりんとうのままだ。

— 花* (@hana343664) 2017年6月11日

「ただいまー…ん？ママネットしてんの？あ、また2ちゃんみてる」
「だって面白いだもん」
「ネットもほどほどにしとけよ？」
「あーちゃんも2ちゃんみてるよ！」
「えっ」
「2ちゃんおもしろいよ！」
「ええっ」
「まいにちみてるよ！」
「えええっ何板！？」
「Eテレだよ」#あーちゃん

— 花* (@hana343664) 2017年6月10日

「今日はストロベリームーンなんだって！」
「ストロ…なに？」
「6月の満月をそう言うんだって。帰りに観ようよ！」
「いいけど」
好きな人と一緒に見ると結ばれると言われてるらしいのだ！#twnovel
「…月がキレイだね」
「そうだね！」
「…」
叶うといいなあ、お願いお月さま！

— 花* (@hana343664) 2017年6月9日

ミステリ研究部。何かよくわかんないうちに勧誘されて入部してた。
「今日の暗号だ。解読しろ」
部長がメモを渡す。もーめんどい…
「わかったか」
「333224*を足したら17でした」
「違う」#twnovel
結局ど直球に告白された。今までの暗号は全部告白だったらしい。めんどい。

— 花* (@hana343664) 2017年6月8日

「女って自分の話ばっかだよね…」
「こっちに聞いといていつの間にか自分の話になってんだよ…」
「なんで1言うと100返ってくんだ…」
奴の愚痴に先刻から一言も返さない私は女ではないのだろうか。
なら今度は無口な子を彼女にすればいいんじゃないの。
…て言えないけど。#twnovel

— 花* (@hana343664) 2017年6月2日

「もし別れるって言ったらどうする？て今度の彼女が聞いてきた」
「絶対別れたくない！て言うのが正解」
「浮気しても言わなければいいって」
「いいわけない。絶対すんな。あと絶対バレる」
「メンドクサイ…」
「なら彼女作るな」
やっぱりお前が彼女になってくんないかな… #twnovel

— 花* (@hana343664) 2017年6月1日