several years later | ナノ


several years later
 



 おかーさまあー! おかーさまあー! ただいまあー!



 車寄せから降りた少女がこちらに気づき、中庭に向かって手を振っている。

 こちらも、ヤッホゥー! おかえりー! と大声を張り上げてぶんぶん振り返したいところだが、お客様がご一緒なので、ふふと微笑んで胸の前で軽く手を振り返す。

「お可愛らしい。一番下の殿下でいらっしゃいますね?」
「ええ、もうすっかりお転婆で……。お恥ずかしいです」

 そう、少し離れたところから、乳歯が抜けて前歯のない間抜けな大口あけて叫びまくっているのは末の娘のアナ6歳だ。この子の上には長男ガブリエル17歳を筆頭に兄が4人、姉が2人いる。

 全部で7にん。7にんのこびと。ラッキーセブン。ウルトラセブン。せぶんいれぶんいいきぶん。

 ……多くない? なんか、私とルイ、子だくさんすぎない?

「たくさんいらして賑やかですね。ガブリエル殿下もすっかりご立派になられましたし」

 我が国は性別に関係なく長子が王位を継ぐわけで。長男もとっくに私の背を追い越し、最近は公務もかなり請け負っている。次男フレデリクも兄に追いつけ追い越せ状態。すごいね誰の子なのだろうね。私の子だけれども。
 ルイのときと違い、こどもも7人もいりゃ十分。
 世継世継ぎとうるさかったおじいさまもきっと心残りはなかったろう……。

「勝手に殺すな」
 同席していたおじいさまが横で呟いた。あれ、私声に出していたっけ?
 というか元気だな、おじいさま。ぴんぴんしてる。あとつやつやしてる。あと50年ぐらい生きそう……。


 そんなことを考えているうちにみるみるアナが駆け寄ってきて、ぼふんと私に抱き着いた。そしておもむろに茶色い封筒を差し出して、


「おかあさま! ゆうびんきょくにあたらしいうすいごほんがきていたよ! はい!」


 …………。(⌒∇⌒)






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設定だけ。
 アナ 6歳女子 典型的末っ子
 ベンヤミンとクリスティアン 8歳双子やんちゃダンスィ
 ドリス 11歳女子 しっかりもの
 エルサ 12歳女子 アナとよくアナ雪ごっこやってるw
 フレデリク 15歳 頭のいいこ(ちょい癖あり) 
 ガブリエル 17歳 やさしくまじめなよいこ



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