合コンの女王 | ナノ


合コンの女王
 

 
 同僚が主催した4対4の合コン。
 幹事の男が学生時代の友人である相手の幹事に片思いで、うまーく仕組まれた合コンだが残りの男女は初対面である。
 皆なかなか可愛い子たちなんだけど、あー苦手なんだよなあ、最初のとっかかりっていうか、このシーンとした空気が……。

 そんなとき
「こんばんは! 今日はイケメン揃いで超ラッキー!」
 俺の目の前の女の子が立ち上がった。

「私たちはあっちから松子、竹子、梅子、さてここで問題です私は何子でしょう? ハイ!」
 いきなり俺にふられた。何だコレ。
「え? えっとー……桜子?」
「ブー! ハイ隣の彼!」

 何だこいつと思ったが場はあっという間に和んだ。彼女は盛り上げるのがうまく、時には女を捨てて笑いを取った。有難かったけど賑やかすぎるし色気も無いし彼女にするのはパス、というのが悪いが男たちの見解。

 *

 盛り上がったまま二次会のカラオケである。
 幹事たちはいい雰囲気だし、よしよしと一服しに部屋を出る。
 すると、賑やかし彼女がそこにいた。意外。煙草吸うのか。しかも、どこかクールな表情だ。

 俺に気づいた彼女はふっと笑って
「私そろそろ帰るわ」と煙草を消した。

「お、送るよ!」

 もっと知りたい。今日見えなかった彼女を。

 




松竹梅の下は「茸」そして「苔」らしいです。
だから茸子が正解かな!(もちろんみんなそんな名前ではありません)
ちなみに「正解は“ユカ”でーす!」「知らねーよ!」という本当の名前ツッコミバージョンも持ちネタとしてある



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