twnovel past 2015.6 | ナノ


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Twitterでupしたtwnovelまとめ 2015年6月



「これ両替できませんか!」
大学の門の横の自販機前で五円玉を2枚出された。
「1円玉10枚に?」「自販機前でそう思う?10円玉1枚です」
何故怒られる。でも黙って10円玉を出した。
「ありがとう!きっといいご縁がありますよ!五円だけにw」
これが彼女との馴れ初め。
20156025



「ただいまー」
「「おかえりー」」
「あれ?えっと、今日…」
「何?」
「(´;ω;`)」
「嘘々。ほら、あーちゃん」
「ちちのひどーぞ!」
「食べかけのポテチありがとう」
「いつもパパであそばせてくれてありがとね!」
「…ん?」
「これからもあそばせてね!」
20150621(父の日)



彼と公園デート、張り切ってお弁当を出す。
「やけにカラフルな海苔巻き…おにぎり?何だこれ」
「おにぎらず」
「おにぎ…?」
「海苔の上にね、ご飯と好きなおかず乗せてね、て聞いてる?あっハムのは私の!」
「どれ食っていいの?俺5個は食うから」
男なんてこんなもんだ。

20150618


※おにぎりの日ということで。↓は再掲です



背から何から全てミニマムな彼女。
野外実習の昼飯で女子がワイワイとおにぎりを握っている。ずらっと並んだおにぎりは君のだけすぐわかる、他のよりも小さいから。大きいのを選ぶ男らを横目に小さいそれを手に取る。
中身が俺の好きなおかかばかりだったのは、自惚れかな。
20150618





※毎月14日はtwnovelの日。6月のお題は「傘」。


デート中に降り出した雨、コンビニでビニール傘を1本買った。肩を寄せ合いお喋りしながら歩いて、信号で止まる。ふと沈黙が過る。彼がぽつりと言った。
「ビニ傘じゃなくて黒い傘にすればよかった」
そうすれば隠れてキスできたのに、と。
私は笑ってそんな彼の頬にキスをした。



お気に入りの赤い長靴を履き、赤い小さな傘をさして娘がくるくる回っている。
「ママ、おそらがないてるね」
「何か悲しいことがあったのかもね」
「ちがうよ、うれしくてないてるのかもよ?」
そういえば、昨日私と夫の結婚式のビデオで、嬉し泣きしてる花嫁を観たんだっけ。



梅雨真っ最中の試験前、次々と校門から出ていく色とりどりの傘を私は教室から眺めている。
「あ、彼だ」その中でたったひとつの傘を見つける私に「よくわかるね」と友達が感心した。
私にもわからない、けれど、わかる。彼の黒い傘が私には光って見える。
これが恋の力ってやつ。



どんよりした曇り空、天気予報は降水確率90%。初めてのデートが雨なんて…雨なんて…
ラッキー☆
私は傘を持たずに家を出た。
彼と映画を観て、外に出てきたら、雨。「傘持ってくるの忘れちゃった」彼に言うと「え!俺も!」
かくして相合傘作戦は不発に終わった。ばかぁ!






「コレ俺が切ったのより太え!」
家庭科の授業で同じ班の奴が笑う。コノヤロ。どうせ私の千切りキャベツはぶっといよ!

「あーこのぶっとい千切りキャベツとかきんぴらごぼう見ると我が家に帰ってきた気がするなあ」
十余年経っても変わらずに奴は笑う。私も笑う。幸せは、太い。
20150612



結婚式当日は、雨。 「ジューンブライドなんて日本じゃ梅雨だもんね」 「残念だったね」 友人らは苦笑い。 が、実は狙っていたのだ。 私と彼が出会ったのは、自転車の乗れない雨の日のバスだったから。 足元が悪い中来てもらって、ごめんね、自分たちの思い出を優先しました。
20150609



「何その跡。まさか虫刺されとかすっとぼけたりしないよね」 しまった首をやられたか。ニヤニヤ笑う同期の男を睨む。 「虫刺されよ。悪い虫のね」手で首を覆って返すと 「違うよ、それは虫避け。なんならもう1個つけようか?」 あのね、そんな心配しなくても、私モテないから。
20150604






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