こどもがすきだ! | ナノ


こどもがすきだ!
 


 俺は子供が好きだ。赤ん坊もよちよち歩きの幼児も無邪気と生意気が同居する小学生も好きだ。
 いや一応断っておくが、ロリコンとかペドフィリアではない。本当に単純に好きなのだ。はじめてのおつかいとか家族ムービーとかTVでやっていると食いつくように見る。ヘタすると泣く。
 一昔前のドラマで公園で子供たちが取り損なったボールを取ってあげ、「お兄ちゃんも一緒に遊ぼうよ!」「よぅーし!」なんてもう理想的で泣けるが、しかし昨今の世で大人の男が迂闊に声をかければ犯罪者だ。悲しい……。


「小学校の先生になればよかったのに」

 隣の家に住む元同級生が言う。

「考えたけど、子供好きって気付いたのが小学校の教員免許取れない大学に入ってからだった」
「まだ26でしょ。今からでも勉強してなれば?」
「全教科教える自信ない。体育だけならいいけど音楽とか図工とかムリ」
「あーいえばこーいうなあ」
「もう心置きなく子供と触れ合うには妹が子供産むのを大人しく待つしか……」
「妹まだ中学生でしょ。気の長い話だね」
「ああ……」

 頭を抱える俺に元同級生が言った。

「自分の子供は?」
「え?」
「私産んであげてもいいよ」
「え?」
「好きだし」

 え? 子供が? ……俺が?









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