twnovel past 2014.10〜11 | ナノ


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Twitterでupしたtwnovelまとめ 2014年10〜11月



 コーヒーショップで買ったラテのカップを両手でぎゅうっと持つ。擦る。持つ。擦る。手があまりに冷えていたのだ。先輩がそれを見て「それじゃ手のひらしか温まらないんじゃね?」とその上から自分の手を重ねた。「せ、先輩も手のひらしか温まらないんじゃ」「でも心はあったかい」141120



 仲間で遊んで疲れて帰宅中。すっかり静かな夜の車内で運転手の彼が声をかける。「おーいお前らー」もう一度「おーい、起きてるの、もしや俺だけー?」助手席で窓を向いて寝た振りのまま笑いを堪えていたら、私の右手にそっと手が重なった。そのまま無言の、夜のドライブ。141120



「俺こいつの家知ってるし部屋入ったことあるしベッドカバーの模様もわかる」そう言ってサークル仲間をどよめかせた先輩。だって私がこの春上京してきたときの引っ越し業者に先輩バイトでいたもんね。私のベッドも冷蔵庫も運んだよね。そんで大学案内のパンフじーっと見てたよね。141031



#ポッキープリッツの日
「今からポッキーゲームをしまーす」
そう言って彼女が取り出したポッキーの箱。
あれ、赤い箱じゃないぞ白いぞ。見たら『極細』。
赤の半分の細さだが1.5倍の本数らしい。
「え、もしかして」
「そう、50回やりまーす」
誰かクラッシュポッキー買ってこい!
141111



 長い上り坂を自転車を降りずに上る。もうダメだと降りようとしたその横を同じく自転車に乗った女子高生が抜かしていった。女の子に負けるなんて恥だと降りずに上る。上りきったところで彼女が待っていて「お疲れ様」と何故か渡された飴。よく見たら電動自転車じゃんか。卑怯だ。141029



 毎週日曜日の朝7:30。私はTVで必ずとある特撮ヒーロー物を観る。きらきらした目でね。ただ私がちょっと他のこどもたちと目線が違うのは、スーツの方の中の人を観てるからなんだと思うの。赤いスーツに包まれた彼は私だけのヒーローなんだ。【私だけのHERO】141025



 もの凄い照れ屋の彼はお酒が入ったときだけ愛の言葉を言ってくれる。普段は我慢できるけど、たまに燃料不足になったとき、ずらっとテーブルに並ぶアルコール。「……」それを黙って飲む彼。ひたすら飲む彼。愛の言葉もいいけれど、その前のわかってて飲んでくれるとこも好き。141024



 「痛ッ」たった今冷蔵庫に手を挟んだらしい彼女は本当に何にでも手を挟む。蓋類はまず外さない。ポスト、ピアノ、ノーパソ、果ては便器(どうやって?)。何故か大した怪我にはならないのだが。そんな彼女が自ら挟まれたがるのが僕の足の間。これからは挟まれるのにいい季節だ。141023











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