ラブレッスン | ナノ


ラブ・レッスン
 


 毎週火曜、カテキョに来る先生。
 さすが大学生は中坊なんかメじゃないくらいオトナでカッコイイ。
 先生、好き。高校生になったら彼女にしてよ。

「ゴメンね。彼女いるし」
「アホかお前。真面目にべんきょーしろよ」

 何故か向かいの家のこいつも一緒に勉強教えてもらってる。男女が1対1じゃマズいって。私は二人きりがいいのに!

 彼女いるのか……ま、そりゃそうだよね、大学生なんだし!
 でも結婚してるわけじゃなし、彼女がいたって諦めないぞぅー!
「先生かっこいい!」
「先生すき!」

「お前のすきって安いな」
「安いって何よバカ」
 ぎゃーぎゃー言い合う私たちを先生はいつも笑って眺めてる。


 ところがあるカテキョの日、
「実は別れたんだ。ホントに彼女になる?」
 先生はそう言うとヤツがいるにもかかわらず、私の顎に手をかけた。そのまま顔を近づけて……え? え? え!?
「せ、先生ヤダ!」
「離れろこのロリコン!」
 私が先生の顔面を平手で叩き、ヤツが後頭部を教科書で殴った。
「ひでえ……」とその場でうずくまり頭部の前後を両手で押さえながら、先生はそのうち笑い出した。

「二人とも、もっと身近をちゃんと見なよ」

 私たちは顔を見合わせて、それからなんとなく赤くなった。




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