twnovel past 2015.1 | ナノ


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Twitterでupしたtwnovelまとめ 2015年1月





「今日何の日か知ってる?」今朝仕入れた知識を披露すべく彼女に問う。
「知ってる!ショートケーキの日!」
「へ?ショートケーキ?」
「カレンダーで22の上は15でしょ。いちごが乗ってるから。違うの?」
「正解…」
得意げに言う彼女に答えはカレーの日なんて言えなくなった
#カレーの日 20150122

※ショートケーキの日は“毎月”22日だそうです。





「水の音がした気がした」で終わる140字SS


「なあ、ごめんて」最初は宥め
「上司の急な誘いで断れなくて」次に言い訳
「ほんとごめんなさい」そして素直に
「でね、昨夜はちょっと食べ過ぎ飲み過ぎで」話の核心へ
「もう、やばい」段々切羽詰まって
「出て!」悲痛の叫び。
薄れる意識の中、ドアの向こうで流れる水の音がした気がした。


 たぶん間に合ったと思う。たぶんだけど。
 しかしちょっと台無し。
 胸きゅんで仕切り直しにチャレンジ!↓


買ったばかりの水玉の折り畳み傘をバッグの中でいじる。
ここのところ晴天続き。でも今朝のテレビでは、今日は晴れのち雨の予報だった。
彼はいつも傘を持っていない。走って帰る。
帰るタイミングで降り出したら、そしたら。
降れ、降れ、降れ。目をとじる。
ぽつん。
水の音がした気がした。
20150117




ツイ冬童話。3連で。




1.あーちゃんはいちごが大すきでやさいが大きらい。
「れいぞうこの中のやさいがぜんぶいちごになればいいのに」と思っていたら、ある日ほんとうにやさいがぜんぶいちごになっていました!
けれどおかあさんはぜんぜんおどろいていません。いちごをとり出してほうちょうでとんとん切りだしました。


2.おかあさんは切ったいちごをフライパンでいためたり、なべでにたりしています。「夕ごはんよ」とテーブルにならべられたのは、いちごごはん、いちごいため、いちご汁。
あーちゃんがたべるとそれらはいちごのあじはしませんでした。でもすごくおいしいのです。どんどんたべてしまいました。


3.「わぁあーちゃんすごい。キャベツもニンジンもピーマンもたべたね!」
え!とあーちゃんがびっくりしてみると、おさらにはいちごはなく、大きらいなやさいがのっていました。じゃああれは、やさいのあじ?
「やさいっておいしい」
あーちゃんはくわずぎらいをやめて、やさいがすきになりました



なんで苺に見えたのかとか考えない。童話だから。
ていうか苺はやさry
20150114




信号は赤になった。車内ですぐに始まる最近流行りの魔法使いごっこ。
「私が指をさすと青に変わりまーす」
「いや俺が指を鳴らすと青に変わります」
「いやいや私が息をふきかけると」
「いやいやいや俺がかめはめはめはを打つと」
しばらくして、赤信号の下に直進の青い矢印が出た。
20150113
※「信号は赤になった」から始まる140字SSというお題より



「かんぱーい」
成人式の夜、地元で小・中の同窓会みたいなのが開かれている。ちびちびと烏龍茶を飲んでいたら「お!」と元クラスメイトの男子が隣に座った。
「もしかしてお前も下戸?」
「いや私3月生まれだからまだ19歳なだけ。家系的にはきっとザル」
会話は終わった。
20150112



 なんか全然甘くならなかったのでリベンジ↓



「かんぱーい」成人式の夜、地元で小・中の同窓会みたいなのが開かれている。俺も次々ビールジョッキを空けていたら、それこそ5年ぶりに会う元クラスメイトが俺のグラスを奪った。「なに」「あんた3月生まれでしょ!」よく知ってるねと言ったら彼女はみるみる赤くなった。さて。
20150112




「結局さあ、南瓜食おうが柚子湯に入ろうが七草粥食おうが、ちゃんと自己管理できてなきゃ風邪ひくときはひくんだよ」
と自己管理できてない恋人が冷えピタを貼った赤い顔で文句をたれている。
「だからさあ、お前が管理してくれよ」
今年中にお嫁にいくことになりそうです。
20150107



結婚して初めての正月。
「我が家のお雑煮?」
「家によって味違うだろ。小学校のとき冬休みの宿題で調べるのあったよ」
「うえー。私そんなのやった憶えないわ」
「ちなみにうちのお雑煮は?そういえばだしは何?」
「顆粒だし100%だよ!」
…こんな彼女が俺はすきだ。 20150104



自宅のポストをみたび覗く。「返事こないな…」思い切って彼に出した年賀状。元日に届いただろうからそろそろ返事がきてもいい頃。
結局来ないまま新学期が始まった。彼の顔が見れない。でも彼は何か言いたそう。帰ったらポストに寒中見舞いが一枚。『ごめん喪中だったんだ』 20150104



学生アパートが多いこの辺は年末年始は静かになる。私に帰る家は無いけれど。アパート脇でいつもの野良猫と遭遇。アパートも人けないし「今日は内緒で部屋に上がっちゃう?」と誘惑していたら2つ隣のドアが開いた。「いいんですか!?」居たんだ学生くん、でも君のことじゃないよ 20150104



年末年始の帰省から戻った彼が両手に下げてるのはおかんの愛情紙袋。部屋で中身を出す。味噌、昆布、コーヒー、缶詰、なぜか合間にミニタオル。そしてもう一つの紙袋には新品衣類と、綺麗な紙に包まれた菓子折りが。「何これ」「地元の銘菓。挨拶いくときのお前んち用」…えーと? 20150104



「東京タワーで初日の出見よう!」誘われて行ったら集合場所に10人いた。寒い中並んで上がったら曇っていてご来光は拝めず、帰りのファストフードでは一番離れた席。何なんだよと帰ったら、年賀状が来ていた。『来年こそは二人で行きたいです』…元日から来年の話?鬼も私も笑うよ 20140101







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