twnovel from vvss | ナノ


#twnovel:from very very strawberry short
vvssをさらにtwnovel仕様にしたもの まとめ 



 彼は誰にでも優しい。お年寄りにも子供にも、もちろん若い女性にも。たまにそれがちょっとイヤになる。でも「人に優しくしちゃいけないの?」そう言われると何も反論できないわけで。「でもね、イジワルは君にしかしないよ」寝室でね、そう言われたらますます何も言えなくなった。



 背から何から全てミニマムな彼女。野外実習の昼飯で女子がワイワイとおにぎりを握っている。ずらっと並んだおにぎりは君のだけすぐわかる、他のよりも小さいから。大きいのを選ぶ男らを横目に小さいそれを手に取る。中身が俺の好きなおかかばかりだったのは、自惚れかな。



 今朝は彼より早いみたい、よし大丈夫。今朝は彼が前にいる、ヤバイ遅刻する。毎朝通学路でみかける彼を遅刻バロメーターにしている私。ある朝、大通りに出たところでばったり出くわした彼が私を見て「え、やばっ遅刻……」と慌てた。どうやら彼も同じことしてたみたい。



 友人の結婚式の二次会の余興で、確率10%の辛子入りシュークリームが大当たり!平気なフリしなきゃ。でもダメ気持ち悪い…!そうして私が身を削ってGETしたのは景品のテーマパークチケットと、具合の悪くなった私を介抱してくれた花婿の友人。転んでもタダでは起きない。



 日の当たる掃出し窓の前で彼と猫が昼寝している。そっと近づいて唇の端にキスをすると、目を瞑ったまま彼が笑った。「ん……、ミーコ、舐めるなよ……」ミーコじゃないんだけどな。まあいいか。そういうことにしておこう。【小春日和】



 冬なのに蚊に刺された。「それ以上掻くなよ血が出る」と、一緒に残業してた奴が止めた。次の日先輩が「やだキスマークなんかつけてきて」とにんまり笑うので「蚊です!」と訂正したものの、通りがかった奴が「その痕がついたとき、俺一緒にいましたよー」と言い去った。【誤解です!】



 「雨やんだ」彼が傘をたたむ。私もつられてたたむ。けれどまだ少し降っている気がした。私がそんな顔をしていたんだろう。「ごめん、でもこれくらいの雨なら平気だよ」傘があると君が遠くなる。そう言って彼は私の手を握る。初めてのデートは雨のちくもり。【二人の距離】



 初めて恋をした。自覚した途端、私は絶望した。だって、初恋は実らないって言うではないか!そうしたら、私の恋の相手である彼は言った。大丈夫、俺は初恋じゃないから。ちゃんと実るよ。え?これは喜ぶところ?【ジンクスを破れ】



 「私の所為よ…つい面倒でいつも3月に入ってから出して仕舞うのは月末で…だから30過ぎてもあんたお嫁に行けないのよ!」いやいやお母さん大丈夫。お嫁には行きますよ。ずっと断ってたけど絆されちゃって。今度連れてくるけど驚かないでね。彼、10歳年下だけど。【雛飾り】



 夏の暑い休日、アイスショップでダブルコーンを買った私。ペロリと食べようとして、ポロリと上のアイスが丸ごと落下!…する寸前を向かいから来た見知らぬ男子が両手でキャッチ!「「……」」どうするよ、そ(こ)れ…お互い顔を見合わせて笑うしかなかった【(n)ice catch!】



 夏のくそ暑い日、アイスショップで彼が頼んだフレーバーはストロベリーとカフェモカのダブルコーン。なんかデジャブな色合いだなあと思っていたらそれは今日の私のカットソーとショートパンツの色だった。「帰ったらそっちも食ってやるからな」だって。キャー!【Icecream lover】





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