my position | ナノ


47 my position
 


 私は3か月前から彼の彼女。
 一方的に片思いして、特に好きな人も彼女もいないと知ったあとは強引にお付き合いに持ち込んだ。部活に忙しい彼は平日も土日も部活、私との時間は私が彼の家まで迎えに行く朝の登校時間と昼休みのお弁当タイムのみ。電話はたまにしかかけないがメールは1日5回は送って返信は30回に1回。ちなみにデートはまだしたことない。

「それカレカノって言えるの?」
 友人が言う。
「カレカノです! 彼に一番近い女子は私だもん!」
「一番近いのは女子マネじゃない?」
「うっ、でも肩書が重要だから!」

 そんなある日の放課後、件の女子マネに呼び出された。
「彼、昼ミーティングは絶対来ないの。あなたといるからでしょ? 彼女なら彼氏の邪魔はするべきじゃないと思う」
 確かに、絶対負担にならない邪魔をしない、と言って付き合ってもらうことになったのだ。

 まあいっか、朝の時間と、肩書さえあれば、いいか……。

 俯いて、わかったと言おうとしたところで腕を掴まれた。
「昼は強制参加じゃないだろ。勝手なこと言うなよ」
 彼は女子マネを睨むと、そのまま私の手を引いていく。



 部活を初めてサボったという彼と、その日初めてキスをした。



(after word)
初めてのサボり初めての放課後デートそして初めての……むふふ(っていうほどじゃない)というわけで、

「俺、初めて部活サボったわ」
「ごごごごごごごごごごごご、ごめん!!」
「地震きたかと思った」
「も、もも、も、ももも、戻って!」
「お前早口言葉苦手だろ。いいよ今日はもう。どっか寄ろうぜ」

そんな感じで、ショッピングセンターで本屋さんとかスポーツショップとかゲーセンとか寄ってマッ〇で休憩して、彼は思いもかけず楽しい時間を過ごすこととなりました(彼女は楽しくて当たり前)。
でもって、帰り際にね……ついね……
サボりが癖になっちゃいそうだね! でもマネージャーの手前、彼女がもうサボらせませんが。

2014.5.14



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