メランコリック | ナノ


■メランコリック
 

「おーい、ばんそこくれ」
あいつが私の席にくる。保健委員の私のポッケにはいつもばんそうこうが入ってるから。
「あんたよくころぶね」
私はぬらしたティシュで血のにじんだひざこぞうをふいてばんそうこうをはってあげた。
「保健室いきなよ。消どくした方がいいよ」
「あそこやだ。歯医者のにおいするから」
「ばっかじゃない」

でもほんとはちょっとうれしい。

保健の先生になった気がするから。


けっしてあいつがすきだからじゃない。



(afterword)
Lovely 『好きと言えない』とリンクしています。小学生のころのかれら。

2014.3.4


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