息つぎを忘れるほど必死に志摩くんを探した


それなのにどこにもいない


途方にくれた私は中庭に座り込んでしまった


志摩くんが見つからない


会いたいよ



様々な想いが入り混じり、溢れて、ついに涙をこぼしてしまった


と、その時



「蒼、ちゃん?」



「!!」



俯いてた顔をゆっくりとあげれば、そこには志摩くんの姿が



「……何泣いとんのや、ほら、」



そういってハンカチを差し出すと、こちらに背中を向けてしまった


だめ、行かないで


行っちゃヤダ



『待って…………待ってよ廉造!!!!』




「!?……い、今、廉造って言『言ったけど何か!?』いや、何でもないです」



あぁ、だめだ。とまらない



『ずるいよ。いきなり協力するって言って近づいてきたかと思えば、人の心奪っておいて、勝手にふらりと去ってくなんて!!』



「蒼ちゃん…?」



『さっきだってそうじゃん!!優しく接してくれたかと思えば、また私の前から姿を消そうと背中向けて!!私が、私が、どんな思いで……んっ!!』



溢れる感情を制御しきれなくなり、言いたい事すべてを吐いて泣き出した私を制したのは彼の唇だった



「分かった。もう、えぇから、泣かんといて、な?」



『うぅ…』



「改めて言わせてもろうけど、俺は蒼のことが好きや。蒼も、俺の事好きって………自惚れてもええんよね?」



『そうだよ。私、廉造のこと好きだよ、好きになっちゃったんだよ!!どうしてくれるの!?』



「じゃあ、責任とりはるよ。一生」


『っ!!廉造…、』



「蒼、愛しとる。お前が俺の全てなんや」



『…………。』



「え、ノーリアクションですか!?うわぁ、だいぶショックやわ!!」



『ぷふっ。廉造面白い』



「俺はちっともおもろうないわ!!」


『まぁまぁ、じゃあこれで機嫌なおして!』



「え?……!!は、初めてや、蒼からのキスなんて…!!」



『別に両思いだし問題ないでしょ?』


「っ〜〜〜!!蒼!!!!!」



『うわっ!!いきなり抱き着くな!!ちょ、どこ触ってるのぉお!?』








遠回りをしてやっと得た笑顔



うじうじしてたあの頃の私は消滅した


そのかわり前向きに頑張れる私が誕生したよ



ねぇ、私歩くから、


歩き続けるから



廉造、



ずっと隣にいてね







愛してるを唇にのせて、私たちは何度めか分からないキスを交わした





永遠の愛を捧げよう



fine...









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