「俺、蒼の事が好きだ」



『え…?』





志摩くんとの偽りカップルが終わりをつげたかと思えば、燐くんから告白された


燐くんはどうやら志摩くんと別れた事をすでに耳にしたらしい



それにしても、これは夢なのだろうか


だってさ、燐くんが私の事を好きって、え


そんなことってありえるの?



『えと、燐くんはしえみちゃんの事が好きなんじゃないの?』


「昔は、な!今は違う。」


『そ、そうなの!?』


「あぁ!蒼はどうなんだ?」


『私も、燐くんの事が好きだよ!』


「じゃあ、晴れて俺ら恋人だな!!」


『そうだね!』



燐くんと結ばれた

ずっと夢見て

ずっと望んでいた事だ





なのに、あ、れ?


なんだか胸に引っ掛かる

チクリってする



私、喜んでない……?








「な、なぁ、あのさ、」


『え?あ、うん』


「キスしても、いいか…?」


『え、えぇ!?!?』


「や、嫌ならいいんだ」


『ううん、全然嫌じゃないよ!』


「じゃあ…、目閉じてろ」



顎を上に向かされ燐くんが目をつむる


端麗で綺麗な顔が近づいてきて


あぁ、私これから燐くんとキスするんだ



"蒼"



『っ!!』



「どうした…?」



ふいに"彼"が笑顔で私の名を呼ぶ姿が浮かび


思わず顔を背けてしまった



やっぱり、私、





できない




『ごめ、私、』



「………、分かったから泣くな。……………行ってこい、志摩んとこ」



『え…?』



「はやく、行け!好きなんだろ?」



『う、ん…!!ごめんね、ありがとう燐くん!!』




燐くんに背中を押されて、私は彼の下へ走り出した





今更だと言われてもいい


フラれたって構わない


だけど、自分の気持ちに嘘をつきたくないよ



だからね、志摩くん



今から伝えにいくよ



この想いを








貴方にもう一度









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