蒼と志摩が付き合いだしてどれくらい経っただろうか


そんなこと俺には関係ねぇ


関係……ない?


本当かよ自分











蒼が俺を好きだって薄々気づいてた


嫌な気持ちはもちろんない


だけど、それに応えてやることはできなかった


俺はしえみの事が好きだから


否、好きだったから





蒼の事を恋愛対象として見ていなかった


腹をわって話せる仲間


ただ、それだけだ



なのに


蒼が志摩と付き合いだして、俺を好きでなくなったと分かった瞬間


胸が張り裂けそうになった


楽しそうにするその笑顔が俺に向いてなくて


志摩のものになったんだって


思い知らされて




吐き気がした




俺が好きだったんだろ?


だったら、さ、よそ見してんじゃねぇよ




次々溢れてくる想いに嘘がつけない


俺、蒼の事好きだったんだな

でも気づくのが遅せぇよ





『んぅ…!!』



雪男に用があって中庭に行ってみれば、これだ


志摩と蒼がキスしてる


痛い

いたい

イタイ


感情が濁っていく


どうしようもない嫉妬心


もし志摩の立ち位置が俺だったら、なんて





「…燐?こんな所で何してるの?」

「しえみ…。なんでもねぇ、向こう行こうぜ」


「え?う、うん」



俺は静かにその場を後にした


いや、逃げ出したんだ




蒼、


お前が


欲しい


喉から手が出るほど、お前を欲してる


どうしたらお前を手に入れることができんだ?





答えのない迷宮で、ただお前だけを想い後悔をした










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