これが、私が彼女と初めて接触した瞬間だった
とても単純で、どこにでも落ちているようなシチュエーション
しかしそこに"感情"が入り混じった
特別な"感情"
彼女を見た時に胸に溢れるモノは密かに熱を帯びていて
それは次第に熱くなり、鼓動をも速く動けと急かす
体には稲妻にうたれたかと思うほどの電気がはしった
その特別な"感情"の名前なんて容易に想像できた
きっとこれが
「"一目惚れ"ですね」
「アマイモン、やはりお前もそう思うか」
「はい。人間は時に、誰かを一目見た瞬間"恋"というものに落ち、数ある恋をする手段の中の一つとして、これを"一目惚れ"と言う、と本に書いてありました」
「そうか。ではやはりこれは一目惚れだな」
「そうだと思います。しかし、一目惚れはつらい道のりが待ちうける、と本に書いてありました」
「確かにな。もう会えることなどないかもしれない相手を想うのは、とてもつらい。」
「それも本に書いてありました」
「………さっきからお前、本本とうるさいが、どんな本を見てたんだ?」
「これです」
「なっ!!!!それは"愛はミラクルnight★"の特別号限定読み切りではないか!!お前、いつの間にそんな物を手に入れたんだ!?」
「これはこの前、進●堂で買ってきました」
「なんだと!?わ、私にくれ!!!!」
「嫌です」
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