訂正しよう
気がするのではない。つけている、確実につけている
ていうか、
『…あの、近いです』
「おっと、これは失礼!」
ストーカーをされるというより、背後霊がつくという表現のほうが合っているだろう
あまりにも近すぎて逃げる気も失せた
その距離、わずか3p
むしろ距離というものが存在しているのかさえ危うい
『…あなた何者ですか?ていうか、何がしたいんですか?』
「いけませんねぇ。人に名を訪ねる時は自分から名乗るのが礼儀では?」
………普通こんなことされたら反射的にでも、誰だか訪ねるものではないだろうか
わたしだけ?え、そう思うのは私だけですか?
この人の発言はとても常識に適っているのでうっかり謝りそうになったが、よくよく考えれば、現在の状況からしておかしいだろう
「確かにその通りです。ですが私はあくまで日常における秩序を優先的に…」
そこからは長かった
尋常じゃない長さだった
何故ストーカーにここまで熱く語られなくてはならないのだろうか訳が分からん
今だに続く力説に半ばうんざりしてきた私がこっそりと帰ろうとすれば、腕を思いっきり捕まれた
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