「うみ…もう別れようぜぇ、」



久しぶりのデートで告げられた言葉



『ど、どうして?』



「お前とオレじゃ合わねぇ」



『や…だ、わたし、まだスクのことが好きだよ…』



「オレは……わりぃ、」



『……そっか、わかった。気にしないで!わたしはスクいなくたって大丈夫だよ!それに、昨日しゃべってたあの子のことが好きなんでしょ?わたし、応援するから!スクには幸せになって欲しいし。今までありがとね?』



「お、おう!」





そう言って私は早々とその場を後にした




“わたしはスクがいなくたって大丈夫だよ!”






嘘に決まってる


あなたがいなきゃわたしダメそうだよ



本当はずっと前からスクがわたしを見てないことなんて知ってた



でも、気づかないふりをしてた



“彼女”っていう細い糸で彼との脆い関係をつなぎ止めていた



でもその糸は切れてしまったみたい



今思い返すと、わたしは彼にとって、
“彼女”っていうレッテルを貼っていただけの存在なのかも


所詮肩書き





ピロリン〜♪


携帯がなった


相手は…



「本当にわりぃ。お前と過ごした時間は最高だったぁ、一生忘れねぇ。ありがとな。」





なんで



なんで離しといて、そうやって優しくするの?



ホントはあなたの幸せを素直に喜んであげられそうにないの



自分の幸せをどうしても優先してしまう


それも、あなたと築く幸せ



夢と化して消えてしまうのに



それでも望むわたしがいる





謝罪なんていらないよ



わたしが欲しいのは



“うみ、すきだぜぇ”



あなたの



キモチ






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ねぇ、もう一度聞かせて

あなたの口からでなきゃ意味がないの

メールの履歴に残った愛の言葉すら

涙で滲んで見えない