起きればいつも隣にいない



いつも、そう



わたし知ってるよ



貴方が抱く偽りの愛を















『おはよう』


誰もいないと分かっていても、


もしかしたら返事が返ってくるんじゃないかって


悲しみを帯びた期待を抱いてしまう


無駄な二酸化炭素を排出してるだけなのに






スクが大好き、とても好き


でも一方的な愛


告白をしたのはわたしから


スクに会いに行くのもわたしから


愛を紡ぐのもわたしから


思えば全てわたしから



切ないよ


貴方に触れるたびに溢れる感情と比例して涙がでる



ほら、また涙が









「……うみ?」



『……スク、』



「何泣いてんだぁ、」



『泣いてないよ』



「嘘つけぇ。跡がある」



『………。』



見られてしまった


隠していたのに


そろそろ、


時がきたらしい



口にしなくてはいけない






『スク、ゴメン。わたし、好きな人が出来たの。』




「分かった。今までありがとなぁ。」



『うん、こちらこそ、』





"さ よ な ら"






あっさりと


崩れた


気にもとめず、こうも簡単に





スクが出て行ったドアの前で泣き崩れる




かすれる視界にあなたはいない




全部ね、嘘なんだよ


新しく好きな人が出来たなんて有り得るわけないじゃん


あなたしか、見てないのに



ねぇ気づいてよ



虚勢だということに






最後に見たスクの背中が目に焼き付いてハナレナイ



その背中はわたしには広すぎる





どうして私じゃないの



どうして私じゃダメなの



どうして私を愛してくれないの




引き止めてほしかった




貴方が欲しくて、こんなに頑張ったのに


貴方は手の中からするりと、


砂のごとく落ちていく


必死に拾い集めても


追いつかない


手を伸ばしても


掴むのは空気だけ






その心が欲しいの



わたしに頂戴



単純なことでしょ?



でも、単純なものほど、難しいものはない



貴方にそんなことを教えてもらうなんて



そんなものいらない






"行かないで"



それが言えたらどんなに楽だろうか



たったその一言が口にできない




お願い


わたしをおいていかないで



隣を歩くことも許されなのですか?






面影

それだけ残して

貴方は私を記憶にする



………………………

スクの出番が少ないとか気のせい