骸とうまくいかなくなってから もうどれくらいたっただろうか? 月日なんて数えられなかった 頭にあるのは彼のことだけ いつの間にか、自分から彼に話かけるのが恐くなってしまった 『むっ、骸!お、かえり。』 「…。」 『あっ、あのさ、「スイマセン、今忙しいので静かにしてください」ごっ、ごめん…』 彼に拒絶された もちろんこれが初めてなんかじゃない でも、やはりキツイ 骸は無言で部屋から出ていってしまった ふと、出ていこうとする骸のポケットから何かが落ちた 『骸!なんか落ちたよ…って行っちゃったか…』 その落とし物をみて、わたしの世界は一瞬で崩れた わたしの手のなかにある彼の落とし物は 知らない女の名前が刻まれたリング |