ドジっ仔彼女




ドジっ彼女。






談話室のドアを
開けてみれば、右奥にある
物置の前でうみが何か
ピョコピョコと動いていた


俺が来たことに気付かない
うみは、手を必死に伸ばして
何かを取ろうとしている


その姿が何故かとても
面白くて思わずじーっと
見ていると


うみが触れた衝撃で
積み重なっていた書類が
ぐらりと揺れた


「っ、おい!」


「――っわ!」


うみの腕を急いで引き寄せて
自分の体の中に納めると同時に
書類は床に音を立てて散らばる


「危ねぇなぁ!」


「……スク先輩?」


下から首をかしげながら
こちらを見てくるうみ。


「き、気をつけろぉ」


「ありがとうございます…」


そういって俺は
隊服をパンパンとはたいた。
うみが何を取ろうとしていたのか
訪ねてみることに。


「敵マフィアの書類を
整理しろってベルセンパイに」


「へー。お前要するに
パシリにされたってわけかぁ」


クククッと笑ってやると
うみは頬を膨らませた


「違います!!私は
ベルセンパイに仕事を
任されたんですー!!」


小っせぇくせに
自分より背の高い物置を
必死になって相手しやがって…



「ゔお゙ぉぉい」


「ひぃっ!なんですか…?」


そんなにビビらなくても…
まぁ俺の方が身長デケぇし
無理もないが


「これからはちゃんと
人に頼めよ。お前ドジのくせに
1人でやりすぎだっつーの」


「は、はいっ失礼します!!」


そういってうみは頼まれていた
書類を持ち出すことなく
談話室から走って出て行った



俺はうみに触れた手を
少しの間眺め、ため息をつく








次の日。



「………」


うみはまたピョンピョンと
棚に向かって飛んでいた


「ゔぉ゙ぉぉぉぉい!!」


「ひゃーーーーっ!!」


俺の叫び声とともに
うみが肩をビクッとさせ
そのはずみで上から落ちてきた
バスタオルを頭からあびる


「人に頼めって
言ったばかりだろうがぁぁぁ!!」


「――っぶはぁっ。
……あ、スク先輩!!」


ケロッとした顔で
笑顔を見せる。

コイツ……!!



「…で、今度は
何を頼まれた」


「あ、はい。ルッスーリア先輩に
お風呂に入るからバスタオルを
持ってきて欲しい、って。
あっあと、フラン先輩には
ベルセンパイを殺すための
下剤を頼まれて……レヴィさんには
XANXUS様の写真を撮るよう頭を
下げられて…XANXUS様にはその
レヴィさんをかっ消すよう
命令されました、です!!」



…ツッコむ要素ねぇ。


「ゔお゙ぉぉぉぉい!
完璧にパシリじゃねぇかぁぁ!」


ったくよぉ……。


「でも、ベルセンパイは
どうしてフラン先輩に
殺されないといけない
んでしょうか…?…はっ、まさか
あれが2人の友情ってやつですか!?」


「………」



「あ、でも……下剤って
お腹壊しちゃうし、そしたら
ベルセンパイがトイレにでも
こもったりしたら
今度はレヴィさんが困るし…」


頭をひねらせ
皆のために働こうとする
新人ルーキー、うみ。


「……貸せ」


うみの手からバスタオルを
乱暴に引きはがし俺は歩き出した


「ちょっ私の仕事ぉ…!」


うみは気付いてないようだが


みんなうみのことを
気にかけてるからそんなに
仕事を頼むんだ


どんなことでも
少しでも一緒ないられるために。


…ちょっと妬く。


彼女は頑張り屋で
ドジで落ち着きがない


そんな女に惚れちまった俺も
……おかしい、だろぉ




◎END◎



(ぅおーいルッスーリア
頼まれていたタオル持ってき――)


(なんでスクちゃんが
入ってくんのよぉぉぉお!?)


(グハッッ!!!)



…………………………………………


姫華様からの頂き物です!


スクがとにかく可愛いです//


さりげない優しさを見せつつ、ヤキモチをやくとか、


がはっ(吐血


もう、ドストライク!!


なんでこんなにうまいんだぁあ!!

姫華様、素敵なプレゼントをありがとうございました(´∀`)





 


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