梵我一如




⇒梵(宇宙を支配する原理)と我(個人を支配する原理)が同一であること、
または、これらが同一であることを知ることにより、永遠の至福に到達しようとする思想。
古代インドにおけるヴェーダの究極の悟りとされる。不二一元論ともいう。


梵とは神ではなく、あらゆるところに始めから存在する生命の源と考えられている。
また人間が梵を吸収することにより生命力が増すという思想もある。

仏教では、梵(ブラフマン)が人格をともなって梵天として登場するが、本来のインド思想にあっては、自然そのもの、あるいは遍在する原理、または真理を指していた。
一方、我(アートマン)とは、身体の中にあって、他人と区別しうる不変の実体(魂のようなもの)として考えられ、「真我」と漢訳される。

ヴェーダにおける究極の解脱とは、この個人の実体としての我が、宇宙に遍在する梵と同一であることを悟ることによって、自由になり、あらゆる苦しみから逃れることができるとする。

この思想は、バラモン教、ヒンドゥー教に限らず汎インド的な性格をもち、仏教やジャイナ教における実践的性格に影響をあたえた。

日本では稀ではあるが、「苦しみを乗り越えれば至高に達する」という意味の四字熟語として用いられることがある。




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