「…どうしていつも君は私の邪魔をするんだい?」
「あんたがまだ気付いてないから」
「またその話か、もうその話は散々だよ。耳にタコができそうだ」
「…あんた、本当に自分が正義だとまだ思っているの?」
「ああ、思ってるさ。私はヒーローだ。それに、この答えはもう何回もしているはずだよ」
「…この惨状を作った原因があんたでも?」
「これは私のせいじゃない。私はきちんと助けたじゃないか、君という大切な命を。彼らは私の救出劇に伴う尊い犠牲になってしまっただけで明日にはまた元気に君の前に現れるだろう?」
「そんなことを考えながら私を助けた気になっているならあんたはただの偽善だ。どうして私ばかりにかまうの?私よりも助かった人はこの中にいたはずだよ」
「…君は、こんなに君につくしているのに私を否定する気かい?」
「ええ、否定するわ。あなたは私しか助けていない。もういい加減にしてよ」
「…………」
「尊い犠牲?ふざけないで、私がいた場所は何の被害にもあわなかった場所よ。一番助けるべき人を間違えといて私を優先しないで」