「グゥちゃん可愛いねぇ…グゥって呼んで良いかなっ?」
「はい!えっと、」
「あぁ、私の名前はシオン!呼び捨てで呼んでもらって良いからね!」


どうも皆様こんにちは。誰もが認める不幸少年こと、ハレです。


「よろしくね。シオン」
「うん!よろしくぅ!」


今、俺の目の前では奇妙過ぎることがおきています。


「シオンは今日は泊まってくれるの…?」
「うー…泊まりたいけどレベッカ姉がいるからなぁ…」


なぜかグゥ(猫かぶり版)とシオンがとても仲良くなっているのです。まるで旧知の仲のような感じです。って、どうしよう俺!どうしてれば良いの!?


「じゃあ、今度!今度泊まりに行くからぁ!」
「わかった、約束だよ!」


とりあえず俺はシオンに一言言いたい。
騙 さ れ て る !
シオンは…シオンはコイツ(グゥ)に騙されてる!ああああ!今っ、今グゥを抱きしめてるし!


「あ、あのー…シオンさん?」
「何ー?ハレ」
「あのさ…もう遅いから帰ったほうが良いよ?レベッカも心配するし…」


今日はおしまい!
とグゥをシオンから引き離す。


「ちぇー…しょうがないな。また明日ね!グゥ」
「うん。また明日」


バタバタとシオンが家を出ていくのを見届けたあとにグゥを見ると案の定、もとのグゥに戻っていた。実際どっちが本当かわからないけど。


「…ふぅ、疲れた」
「……てめぇな」


くそっ、グゥめ…シオンとイチャコラだなんて…羨ましいじゃないか。
って、


「な、俺何シオンのこと考えてんのっ!?俺はマリィ一筋だからなぁぁあ!」


明日もシオンがグゥに会いに来ると思ったら少しばかり気が重くなった。



少年の苦悩