「へぇ、ハレの家に居候?」
「うん。そうなんだ…」


とあるジャングルの昼下がり。特にすることもなく、レベッカ姉の家で本を読んでいたら隣の家に住んでにいる少年、ハレがやってきた。どうやら昨日の会合からウェダがハレの家に居候なる女の子を連れてきたらしい。


「会ってみたいなぁ…居候ちゃん」
「や、止めといたほうが良いよ?」
「どうして?」
「えっと、それは…」


昨日はレベッカ姉は酔い潰れていて何もきいていなかった。そうか、居候ちゃんかぁ。会いたいと思うのは当然だろう。それなのにわたわた百面相して視線を泳がせるハレ。ぴこぴこと動くアホ毛が焦りを表しているように見えた。


「まぁ良いや、この後ハレの家に行く予定だったし…」


パタンと本を閉じて、


「よし、行こうハレ」
「ま、マジですかシオンさん…」




「こんにちはー」


何度も家に来る事を止めようとしてきたハレを引きずって家を覗く。


「…あれぇ」


覗いたはいいが肝心な居候ちゃんがみあたらない。どうやらウェダも留守のようだ。


「ハレー、居候ちゃんいないよ?」
「えー、そんなはずはないよ…おーい!グゥー」家の中に入るハレの後姿を見ながら私も視線を家の中にうつした。居候ちゃんはグゥちゃんって名前かぁ…。
家に入ってリビングに向かえば、ハレの声と聞き慣れない可愛らしい声が奥から聞こえた。


「お……?」
「あ、あの…どちらさまですか?」
「シオン!?来ちゃったの!?」


見つけたのは、色白でぱっちりとした赤い瞳、一言で言い表すとまさに美少女がそこにいた。


「か…可愛い!」


ぎゅむっ、衝動にかられてグゥに抱き着く。女の子らしい香りが鼻をくすぐって思わず頬が綻ぶ。あ、私変態みたいだ。


「ちょっ、ぇえぇぇえ!?」


シオン!?シオンちゃん!!??シオンさぁぁぁあぁぁぁああん!!!?


ハレの叫びはジャングル中に響いたという。



ふぁーすとこんたくと