「絶対いや」 「まぁまぁそう言わずに、ベッドメイクしてくれるだけで良いですから」 「私これからシェフに用事があるの、ってかあの客は私好みじゃないし」 「好みの問題ではなくてですねぇ…」 「うるさいこの腐れマザコン」 「ふぎゃっ!」
今日も今日とて新しく来たお客サマのためにモップを手にして、忙しなく廊下を行き来する。 廊下の掃除をしたあとは自由な時間を過ごすんだ、そしてシェフのご飯を食べる。呪文のように呟けば、もう3往復くらい掃除したこの廊下も少しは綺麗になっているに違いない。違いないから、用具をしまいに行く途中に出会ったグレゴリーが邪魔で、モップで思いっきり殴った。
「そんな酷い子に育てた覚えはないんですがねぇ」 「別に育ててもらった覚えなんてねーよ」 「口が悪い!」 「…五月蝿い」 「ふぎゃっ!」
こんな親こっちから願い下げだ。 投げたモップは見事グレゴリーの鳩尾に直撃。そのままゆっくりと後ろへ倒れるグレゴリーを踏んづけて退散。 待っててねシェフ!今から行きます!
――――――――― グレゴリーはこれくらいの扱いが丁度いい
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