悲観的な君

仕事用にと彼に渡された携帯が静かに音を立てた。連絡が入ったということは、彼の仕事が終わった合図だ。

仕事と言っても私は後処理や証拠隠滅


力なく倒れていくそれらをどこか悲しそうな目で見つめる垣根は、いつもより覇気のない声で私の名前を呼んだ。


「なんでこいつらは何の関係もない俺らに殺されなきゃならないんだろうな」
「知らないわ」
「誰にも知られずに消えていくって悲しい事なんだろうな」
「だからってあなたが涙を流す必要はないでしょう」
「泣いてなんかねぇよ」
「……、私たちはただ誰かの理不尽な都合によって人を殺めてるだけよ。それが、私達の仕事だから」
「それも、そうか」


自嘲気味に笑った彼の頬についたその赤いものは、まるであなたが







泣いているようだ


貴方がそれらの死を嘆く必要はない。
彼の手に堅く握られた拳銃を、そっと離してやった。









悲観的：物事を悲しむべきものと考えること




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こう、弱々しい垣根的な？