「…ねぇ、試しに今回は君が挿れてみたら」

「な、なんで」

「自分で挿れた事ないんだろ?やってみなよ」

「む、無理だよそんなの…」

「へぇ…ただ挿れるだけなのに、そんな事も出来ないの?」

「…やればいいんだろ」





え、ちょ、待てよ!

自分で挿れるってことはもしや…KIJOY?
まさかのKIJOY?KIJOYなのかい?


風紀を守る身でありながら 自ら風紀を乱すなんて!

いいぞもっとやれ!!




「…手が震えてるよ、恭弥」

「だって、難しい、よ…」

「…ほら、僕が宛がっていてあげるから。
 これなら出来るでしょ」

「ん……」

「……入ったね。出来たじゃない」

「でも、まだ先しか入ってないよ…」





荒い息遣いが止まらない骸。
このドアの向こう側で大変な事が起きている…
そう思うと身体の震えが止まらなかった。


いったい何処でそんな事をしているのだろう…
ソファ?机?
それとも…床?




「ほら…分かる?どんどん中に入ってく…」

「…そうだね」

「早く全部挿れなよ。僕が見ていてあげるから」

「……まだ、ちょっと待って」

「焦らさないでよ…」





まさかあの雲雀が自ら…
しかも満更じゃなさそう。

出来れば挿れるのは自分でありたかったけれど。
しかしこれはこれでおいしい。

色々な妄想が入り混じって骸はそろそろ限界を感じていた。
主に下半身的な意味で。
主に下半身的な意味で。

大事な事なので2回言っておく。




「…っ入った」

「やればできるじゃない。 でも、本番はこれからだよ」

「…振れば良いんでしょ」

「そう。上下に…ね。やってごらんよ」

(ついに雲雀君に動かせますかそうなんですか!)

「こう……?」

「…そんな優しくやってどうするの。こうするんだよ」

「あ、あ…っ!そんなに激しくしたら、壊れる…っ」

「大丈夫だよ。そんな柔に出来てないから…」







(〜〜〜〜っもうダメです限界です!!!!)







バッタン!!!






「雲雀君!!!!僕も混ぜ――――…っえ?」








ついに意を決して
応接室の中に飛び込んだ骸が見た光景は――





「…雲雀君、どうしたんですか」

「?…なに」

「どうして…どうして、なにもしていないんですか!」






…そうなのだ。

雲雀のあんな姿やそんな姿はそこにはなく
あるのは学ランを羽織った普段通りの雲雀の姿。

10年後の雲雀の姿を見てみる。こちらも同じく普段通りだ。
スーツをきっちりと着こなしている。



ではさっきまでのは…幻聴?いや、そんなまさか。
あんなにハッキリと聞こえていたというのに…




「では、さっきまでのは…」

「…さっきの?あぁ…もしかして、これの事かい?」

「え?」




骸は思わず目を疑った。

雲雀の手に握られていたもの。
それは。


何の変哲もないただのシャーペンであった。




「え…じゃぁいつもより太くて硬いっていうのは…?」

「折れ難い様に硬いステンレスの芯を買ってきたんだけど」

「僕はいつも0.3しか使わないのに、0.5を買ってきたんだよ、この人!」

「たまには良いじゃない」

「では、上の口と下の口というのは…?」

「シャーペンの芯を挿れる所に決まってるだろ」

「変なんだよこの人。下から芯を直接挿れるんだよ」

「僕が何処から挿れようと僕の勝手でしょ」




思わず立ち眩みがした。


この二人は今なんて?

シャーペン?




「じゃぁ、振るっていうのは、まさか…」

「このシャーペン、振ると芯が出るタイプでね。
 一度使ってみたくて、恭に頼んだんだ」

「それで、具合はどうなの」

「なかなか良いよ。でもあなたが激しく振るから
 こんなに出ちゃったじゃない…」



骸はガクッとその場に倒れこんだ。
まさか今までのがシャーペンの話だったなんて。

そしてただのシャーペンの話だというのに
あんなに卑猥な会話をしてる様に聞こえるなんて
まさか、そんな…





「六道骸」

「な、なんですか雲雀君…」

「聞いてたんだろ、全部。ねぇ…興奮した?」

「ま、まさか…!」

「そのまさかだよ。恭弥は気が付いていないみたいだけどね」





くす、と10年後の雲雀が笑う。

という事は。
この人は分かっていて会話していたと言うのか。
自分が聞いていると知っていて、全部。
勘違いするようにわざとらしく。そしてそれに自分はまんまと嵌ってしまったという事?


10年後の雲雀恭弥、恐るべし。





「クッ…覚えていなさい雲雀恭弥!!!」




応接室から走り去る骸。
その瞳が涙で塗れていたとか、いなかったとか。

ドアの向こうで何かが
転んだような音がした気がするが気にしない。

室内には恭弥と恭が残る。




「…なんだったの今の」
「さぁ、なんだろうね」

「それより、さっき骸と何を話してたのさ」

「…知りたいかい?」




どさり、とソファに恭弥を押し倒す恭。

恭弥が手に持っていたシャーペンを手に取ると
強引に手放させて机の上に投げた。

恭弥の顔をそっと手を添えて優しく撫でる。




「教えてあげても良いけど…その前に準備してもらおうかな」

「準備?」

「そう。だって今のままだと挿れられないから」

「挿れる?なに、また挿れるの」

「そうだよ。君が挿れて、上下に振るの。出来るでしょ?」

「見縊らないでよ、それくらい出来る」

「言ったね…ふふ、いっぱい出してあげるよ…」








――意味の分からない恭弥が
その意味を知るのはあと少しだけ先のお話。













あとがき。


うちの25雲雀が変態らしいのでやってやった!
私が間違えて0.7のシャーペンを買ってしまって
芯もステンレスの硬い芯を買ってしまって
「いつもより太いの買っちゃった…」となった時に思いついたネタ(笑
そして最後の方は書く力なくなって残念な結果に…。そうだよ変態なのは25じゃなくて私だよ…orz




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