「恭弥」

「…っぁ」




髪を撫でている手を止めて、そっと髪を耳にかけて耳元でそう囁いてみればビクリと肩を震わせる君。
思い通りの反応をする君に思わず笑みが漏れる。




「ふぅん…耳、弱いんだ?」

「っ耳元で、喋るな…っ」




もっと君の反応を楽しみたくて、少し赤くなっている君の耳をぺロリと舐めてみる。

すると思い切り目を見開いてから 勢いよく向こうを向いてしまった。
ねぇそれじゃぁ顔が見れないんだけど。

無理やりこちらを向かせようとしても君も意地になって抵抗してくる。




あぁもう、間怠っこしいな。

絶対にこちらを向こうとしない君の、無防備になっている肩を押してソファの上に押し倒した。
うん、いい眺め。

驚いた君がこちらを向いた隙に両手を拘束する。
無防備な君の両手を拘束する事くらい容易い。
力で僕に敵うはずがないんだから。



この体制に気を良くした僕は、今度は執拗に君の耳を舐めてみる。
耳の裏をゆっくりと舐めまわしてから、わざと音を立てながら耳穴に舌を差し入れるとぺちゃり、と粘膜質な水音が響いた。
直に聴覚に響くその水音に耐えられないのか身体を震わせる恭弥。




「それ、いや、だ…!」

「嘘言わないでよ。本当はもっとして欲しいくせに…」

「…っ、ぁ」




ぎゅっと眼を閉じて快楽に耐える君の顎に手を掛けてそっとこちらを向かせる。
顔、赤いんじゃないの。
眼も少し涙で潤んでいる。


これが並盛最凶と言われた風紀委員長の顔?





「随分だらしない顔だね」

「五月蠅い…っ!」





耳を少し舐めただけでこれだけの反応をするなんて。その先をしたら一体どんな反応をするのかな。
考えただけでも口元が自然と緩む。ますます君が欲しくなった。

僕にしてみれば
君を手に入れるなんて造作もないんだよ。


君を笑わせる事も。
君を怒らせる事も。
君を泣かせる事も。
君を喜ばせる事も。

例えばこうして
君の頬を紅く染める事も。君の瞳に涙を溜める事も。
あるいは君の心臓を止めてしまう事だって。

全て僕の意のままに出来るんだ。君は僕に逆らう事なんて出来ない。抜け出す事なんて出来ないんだよ。





そして潤んだ君の目尻にそっと口づけて、僕は君の耳元で呪文を唱える。
君の全てを手に入れるための、魔法。

ねぇ、恭弥。
もういい加減









「…僕のモノになりなよ」







だって、もう君は。

他の人間なんて目に入らないだろう?

もう離れる事なんて出来ないだろう?

僕の事が欲しくて仕方がないだろう?



もう僕の事しか考えられないだろう?










君の心を操れる
僕は君の魔法使い


(君はこの魔法からは逃れられない)
(何故なら僕達が出会ったあの瞬間から)
(君は僕の魔法に捕らわれていたのだから)












あとがき。

小説を書くのなんて●年ぶりクオリティだけど、
ヒバヒバが好きすぎて勢いで書いてしまった!
お互い好きで25に翻弄される15のヒバヒバが好きです!
25なら言葉一つで15の喜怒哀楽を操作できそう!と思って書いたんですが25が優しくなりすぎた様な…。
小説だと25と15の区別がつかなくて辛い…
いや絵でもつかないんですけどね…。




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