時空を越えて




ガウンッ

ガウンッ

響く銃声

「な、何だあいつ?!」

敵から漏れる驚嘆の声

綱吉くんに向かっていた銃弾は全て宙で止まっていた

その前で笑うのはあたし

「ざーんねん」

向こうの反応が面白い
と思ったのは内緒にしておこう

宙で止まった銃弾は、しばらく進もうと回転していたが、やがてそれも止まる
あたしが手を下ろすと銃弾は一斉に床に落ちた

再び上げた手は攻撃してきた男達に向けられる
瞬間、男達の動きが止まった
いや、限りなく遅くなっているのだ

「じゃ、後お願いします」

彼らの捕縛は他の人に任せ、あたしは彼らに背を向けた








綱吉くんの部屋に入る
彼は忙しい中、あたしとの時間を割いてくれる

手を繋いでソファに座り、お互いに寄り添ってTVを見る
ふとこちらを向いた綱吉くんが何かに気付いた

「結怪我してる」

頬に触れる手
表情はとても心配そうで

あまりに可愛くてきゅんとしちゃう

「平気。かすり傷だよ」

そう言って笑うと彼も安心したように笑った
そのまま傷を労るように、傷口に唇を寄せる

そっと触れるそれがくすぐったくて、あたしは離れようとした
しかし腕をつかまれ、腰に手を回される

「ちょ、綱吉くん。くすぐったいよ」

笑いながら言うと彼も笑って

また寄り添って手を繋いだ

二度とこの手を離さない
この人を手放さない

そう誓いながら






20091220



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