休日

友達と一緒に野球の試合を見に行った




ベンチから出てくる山本

今は最終回の裏

並盛高校の攻撃

1点ビハインド




ピッチャーがボールを投げ、山本がバットを振る

小気味よい音が響いた

ボールは客席に吸い込まれる

逆転サヨナラホームラン




わっと観客がわく

その中心は山本

そんな姿を見て、私の心は懲りずにドキドキするの









試合の後、山本に近づく



「山本ー」



彼はこちらに気付いて、笑いながら手を上げた

その彼にペットボトルを投げる



「みんなから差し入れ。他の人にも渡しといて」



ペットボトルでいっぱいの袋を持ち上げた



「さんきゅ」



にっと笑う山本

額に汗が滲み、頬は上気している



「私、野球してる山本も好きだな」



「そっか。さんきゅ」



ほらまた

私はこっそりため息をついた

山本は荷物をまとめながら話す



「如月っていっつもオレのこと好きって言ってくれるのな。友達だけど、なんか照れる」



照れる、か

友達と言われた時点で喜べない



「この天然め」



「え?」



山本が顔を上げる



「最後にホームランとかかっこよすぎだバカヤロー!」



そんな捨て台詞を残して私は走った

ああもう

なんであんなかっこいいんだ




分かってくれないのはいつものこと

だけど最近、なんとなく焦るの

早く分かって欲しい

あわよくば…なんてね






20100222

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