「結ー?!」



朝から教室に着くなり、紗希が叫びながら近寄ってきた



「耳つぶれる」



片耳を塞ぎながら紗希を見た



「だって結、その髪…」



「あぁ。軽くなったでしょ」



ばっさりと切られた髪に、紗希は目が点になっている



「どうしたの?」



「どうもしないよ。邪魔だったから」



鞄を机に置いて椅子を引く



「そういや紗希今日英語当たるんじゃないの?」



「うわ、忘れてた!結ノート見せて!」



「私がやってる訳ないじゃーん」



はっはっはっ、と笑いながら紗希を追いやる



「役に立たないなー」



紗希がノートを求めてクラスを駆け回っていると、誰かが私の前の席に座った



「おはよう」



「おはよー沢田」



彼は微笑みながら首を傾げた



「山本に振られた?」



「振られたからって切んないよ」



やはりそういう固定観念があるのだろうか



「…ま、関係なくはないかな」



机に視線を落とす

短くなった髪をつまんで苦笑した



「これね、一応伸ばしちゃーいたんだよね」



「どうして?」



それが苦笑の理由

下らなすぎて笑っちゃう



「山本は髪長い子が好きって噂があったから」



単純だよね

それで伸ばしちゃうんだから







20100228

- 9 -


[*前] | [次#]
ページ:


戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -