再逃亡




結は首を傾げた

顔はバレてないんだし大丈夫

そう自分に言い聞かせ、綱吉の目を見つめ返した



「日本人だよね?さっき日本語話してたし」



言葉に詰まる

(そういや、油汚れがどうのって言ったような…)

背中を冷や汗が流れる



「日本人ですが何か」



そこはまあ問題ない

仕事中は話してない…はず



「どうしてお店では嘘付いたの?」



「嘘なんか付いてへん。日本に住んだことないし」



関西弁は親からだ

と思う

利き腕を封じられたのは痛い

左手でもナイフを扱えないことはないが、やはり右手のそれと比べ腕は落ちる

確か沢田綱吉はどちらかと言うと接近戦タイプ

今のままでは分が悪い



「だけど、関西弁話せてイタリア語も流暢な日本人で珍しいよね」



彼の笑顔に、確実に追いつめられているような気になってしまう

だけど

(まだかわせる)

口を開こうとした瞬間




背後から殺気

綱吉と同時に飛び退く

先程までいた場所には、銃弾がめり込んでいた




ルーポが微笑みながら近付いて来る

結は咄嗟にマフラーを綱吉に巻き付けた

今、ボス二人が対面するのはマズいだろう



「(顔伏せとけ)」



小声で言うとルーポに向き直る



『ここがどこだか分かってるの?』



『関係ないな。元々ボンゴレは潰すつもりだしね』



さすがに離された右手

結は腕を組んだ

コロコロ…

小さな爆弾が転がってくる

ドカン

ドカンドカンッ

連鎖するように爆発したそれは砂塵を巻き起こした

綱吉の腕をつかんで走り出す

(なんか今日走ってばっかりや)







20100305

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